当院で行う人工透析

当院では、世界最高水準の透析医療の実現のため、徹底した水質管理、透析液清浄化を行っております。また、長時間透析を快適に継続していただくための様々な工夫を備えています。

快適のために

快適性を追求した透析ブース

一般的な透析ブースを知っている方は「狭いベッドに、隣との間隔も狭くて落ち着けない」と考えている方も多いのではないでしょうか? 「ひがしだクリニック」はそんな不快感をどれだけ取り除けるのかを考慮させて頂きました。 当院が推奨している長時間透析。6時間もの間ベッドの上で過ごして頂くため、どうすれば快適なのかを追求した設計となっております。

透析ブースの詳細

特注ベッド

一般的な透析用のベッドは多くの患者様を収容するために幅70センチのベッドを採用しています。しかし、当院では患者様にゆっくりと休んで頂けるよう、特注で幅100センチのリクライニングベッドをご用意しております。

ゆとりのあるベッド間隔

隣のベッドとの間隔を広くとっております。約100センチもの間隔をあけているため、プライベートを楽しむことができます。もちろん、必要に応じてパーテーションを設置することも可能です。

各ベッドに専用のテレビ

DVD内臓テレビをご用意しております。テレビや映画鑑賞など、有意義な透析時間を過ごせます。

機能性と快適性を備えたオーバーナイト透析ブース

仕事をされている方のための「オーバーナイト透析」。仕事で疲れた身体への負担が少しでもやわらぐように、機能性と快適性を兼ね備えたブースをご準備しております。

オーバーナイト透析ブースの詳細

プライバシーの確保

セミクローズの個室をご準備しております。睡眠中もスタッフが巡回しておりますので、安心して過ごして頂けます。プライバシーと安全性を兼ねそろえていますので、ゆったりとご自分の時間を過ごすことが可能です。

機能性と快適性

各室内にテレビとブルーレイドライブを設置しております。天井部には読書灯もありますので、消灯後も思い思いの時間を過ごせます。

インターネットが利用可能

ノートパソコンをお持ち頂くことでインターネットを使用することが可能です。コンセントとLANポートのみご準備しておりますのでご注意ください。

放射空調パネルによる快適な環境

当院では、1回6時間の長時間透析を推奨しています。長時間をベッドの上で過ごすことになるので、少しでも快適に過ごせるように設計しています。

放射空調の詳細

天井部の放射空調パネル

パネル内に温めた(冷やした)水を循環させ熱を放射することで室温を調整します。風を流さないため動作音がしません。

室内温度分布の違い(断面図)

対流式の従来空調は、空調の吹き出し口の真下の温度が低かったり高かったりする上、足元は冷暖房ともに冷たくなっています。一方、放射空調では室内全体がムラなく冷えたり暖まっていることで、温度ムラがほとんどないことが分かります。




安全のために

クリーンな透析液製造

逆浸透膜による純水精製
こちらの逆浸透膜浄水装置にて、原水を純水と排水に分離させております。浸透膜の孔の大きさはわずか0.0001ミクロンと小さく、原水に含まれているほぼ全ての混入物を分離することが可能です。
院内の水質検査設備で毎日チェック
より安全に透析を行うためにRO装置がきちんと動作しているのか、精製された純水の水質検査を毎日行っております。
クリーンルームによる透析液製造
透析液の製造は、基本病院内で行われます。そのため、こちらのクラス10000のクリーンルームを設置しました。塵埃が侵入しないよう室内は陽圧にされています。また、エアーシャワーを設置しているため、外部から塵埃が侵入できない作りとなっております。このように塵埃がほとんど除去された室内にて、精製された純水を用い透析薬を用事溶解させ透析液を製造しております。

熱水消毒

透析システムの熱水消毒
熱水を用いる事で、薬剤消毒では十分に消毒できない場所にいる細菌を殺菌しております。文字通り、熱した水なので残留毒性もなく、安全かつ確実に消毒することが可能なのです。

院内感染対策

個室の透析室(2室)
感染症(例:インフルエンザ、ノロウイルスなど)を併発しても安心して透析を受けられます。別の患者様に気兼ねすることなく透析を受けることができます。
空気を攪拌しない放射空調
送風する従来の空調とは違い、天井に走る熱水・冷水を用いて温度調整をしています。天井付近にある空気の温度が変化していき、自然と室内全体が均一の温度へ変化していきます。従来のものと違い温度ムラがなく、送風が直接当たることや、送風の際に生じる騒音など不快感がありません。また送風がないため、空気中の埃やウイルスなどを巻き上げることもありません。これにより空気の洗浄度が高まります。院内感染防止にも適した空調です。




環境のために

大量の水を必要とする透析施設

院内で作られた純水を用い粉末状の透析薬を用事溶解して透析液を製造しています。透析液は1人につき、500mL/分必要です。単純計算で、6時間透析すると500mL×360分なので、180L必要になります。また透析液を製造するのには倍の量の水が必要になるため、同時透析74人で26.6トンもの水が必要になります。理由は純水製造のため半分もの水を排水として処分されてしまうからです。透析を受ける方が多ければ多いほど、大量の水が消費されることになります。そのため、当「ひがしだクリニック」では以下の試みを行っております。

水の有効利用の取り組み

上記にある通り、逆浸透膜処理装置での濾過工程で「ナノろ過膜」と「逆浸透膜」処理は捨て水が発生するため、従来の装置では回収率が50%しかありませんでした。しかし、「排水」と呼ばれてはいますが幾重にもフィルターを通過しているため、元々の水道水よりも断然にきれいです。この排水のうち、RO過膜を通過した排水を再度、ろ過工程へ回すことで70%もの回収率に達することに成功しました。 さらに、ナノろ過の排水は中水として敷地内散水、ビオトープ、トイレ排水に再利用しています。(水のリサイクル)

太陽熱の利用

逆浸透膜での濾過工程に適した水温は20度以上となっております。これ以下の水温では回収率が極端に低くなるため、冬場を中心に加温する必要があるのです。さらに院内で製造された透析液は体温と同じ温度(約37度)まで加温しなければなりません。これらの加温は通常だと各医療機器の電気ヒーターを用いますが、莫大な電力が消費されてしまいます。そこで当院では、ヒートポンプ式給湯器と太陽熱利用を組み合わせたソーラー給湯システムを構築。これによって大幅な電力削減が可能となりました。



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